
「産後から腰が痛くて…」——それ、筋力よりも”骨盤の安定性”に原因があるかもしれません
赤ちゃんを抱っこするたびに腰が張る。授乳中に背中が重くなる。出産前は感じなかった腰の痛みやだるさが、産後からずっと続いている——こういった訴えは、当ジムにお越しになる産後ママの方々からよく伺います。
「育児が忙しいから仕方ない」と感じてそのままにしているケースが多いのですが、産後の腰痛は放置すると慢性化しやすく、体型の歪みにもつながりやすいため、早めに原因を整理して対処することが大切です。
この記事では、産後の腰痛が起きやすい理由と、身体の機能を段階的に取り戻すための考え方を岐阜市パーソナルジムTRESOがお伝えします。
産後の腰痛は「妊娠・出産で変化した体のまま」が続いているサインです
① リラキシンによる靭帯の弛緩が産後も残る
妊娠中、体内ではリラキシン(Relaxin)というホルモンが分泌されます。このホルモンは骨盤周囲の靭帯を柔らかくし、出産時に赤ちゃんが産道を通りやすくする役割を持っています。
問題は、このリラキシンの影響が産後すぐに消えるわけではないことです。母乳授乳中はさらに分泌が続くとされており、骨盤周囲の関節の不安定感や「ぐらつき感」が産後数ヶ月にわたって残ることがあります(出典:Samuel CS et al., “Relaxin: antifibrotic properties and effects on the musculoskeletal system,” Pharmacology & Therapeutics, 2019)。
靭帯が緩んだ状態で育児をすれば、骨盤が安定しにくくなり、それを補おうとして腰周囲の筋肉が過剰に緊張する——これが産後腰痛の典型的なパターンのひとつです。
② 妊娠中から蓄積した姿勢の変化
妊娠後期は、大きくなったお腹のバランスをとるために骨盤が前傾し、腰が反りやすくなります(反り腰)。出産後にその癖がそのまま残り、腰椎に過剰な負担がかかりやすい状態が続くことがあります。
反り腰の改善については岐阜市の反り腰改善の記事も参考にしてください。
③ 育児姿勢(授乳・抱っこ)が腰に集中負荷をかける
授乳は1日に何度も行う動作で、多くの場合は前かがみの姿勢が続きます。抱っこも同様に、腰・お腹・股関節まわりの筋肉が疲労しやすい動作です。これらが重なると、腰の筋肉や椎間関節にじわじわと負担が積み重なります。
④ 産後の腹筋・骨盤底筋の機能低下
妊娠・出産を経ると、腹直筋(お腹の筋肉)が伸ばされたり、骨盤底筋群(膀胱・子宮・直腸を下から支える筋肉)が弱化したりすることが知られています。体幹の安定に直接関わるこれらの筋肉が弱い状態では、腰椎への負担が増します。
骨盤底筋の機能低下は産後の腰痛だけでなく、尿漏れや骨盤臓器脱などのリスクとも関連があるとされています(出典:Bø K et al., “Pelvic floor muscle training in prevention and treatment of urinary incontinence in women,” Acta Obstet Gynecol Scand, 2014)。
産後の腰痛を放置するとどうなる?
「育児が落ち着いたら自然に治るだろう」と感じている方も多いのですが、体の機能回復は意識的なアプローチがないとゆっくりにしか進みません。放置した場合に起こりやすいこととして、以下があります。
- 腰の痛みが慢性化し、子どもが成長して重くなるにつれて悪化する
- 骨盤底筋の弱化が続き、尿漏れや下腹部のだるさが残る
- 姿勢の歪みが定着し、肩こりや膝の痛みなど他の箇所に影響が及ぶ
- 体型が「産前に戻らない」と感じるようになる
もちろん個人差はありますが、早めに適切なケアを始める方が体への負担は少なくて済みます。
産後の腰痛を整える3つのステップ
Step 1:骨盤底筋・インナーマッスルを再活性化させる
産後のリハビリで最初に行うべきなのは、重い負荷をかけることではありません。まずは骨盤底筋や腹横筋(お腹の深層にある筋肉)といったインナーマッスルを再活性化させることが優先です。これらは体幹の「土台」にあたる筋肉で、腰椎の安定に直結します。
具体的には、横向きに寝た状態や四つ這いの姿勢で行う低負荷のエクササイズから始め、痛みが出ないことを確認しながら段階的に進めていきます。
Step 2:姿勢の歪みを評価し、特定の動作パターンを修正する
反り腰や巻き肩、骨盤の傾きといった姿勢上の問題は、痛みの根本原因になることがあります。しかし「どこがどう歪んでいるか」は人によって異なるため、動作評価なしに闇雲にストレッチを行っても改善につながりにくい場合があります。
腰痛と巻き肩の関係については巻き肩・肩が内側に入る姿勢が気になる方への記事もあわせてご参照ください。
Step 3:日常の抱っこ・授乳姿勢を見直す
どれだけ良いエクササイズを行っても、日常の姿勢が悪いと効果が出にくくなります。抱っこの際には腰を反らせず、赤ちゃんをできるだけ体の近くで支えること。授乳中はクッションを活用し、前かがみになりすぎないことが腰への負担を減らすポイントです。
TRESOでは「産後の体」に合わせたプログラムで進めます
当ジムの岐阜店代表・岡田は理学療法士として整形外科・スポーツ領域のリハビリを8年間経験してきた専門家です。産後の方の体は、一般的なトレーニングをそのまま適用できない段階がほとんどです。TRESOでは以下のように進めています。
- 初回評価:姿勢・骨盤の傾き・骨盤底筋・コアの安定性を個別に評価します
- ステージ別プログラム:産後の回復段階(産後2〜6週・3ヶ月・6ヶ月以降など)に応じて、負荷とアプローチを調整します
- 少人数制セミパーソナル:一人ひとりの動作を細かく見られる環境で、無理なく進めます
- 授乳中・育児中の方も対応:お子様の月齢や体調に合わせて柔軟にスケジュールを相談できます
「産後からずっと腰が重くてつらい」「体型が気になるけど、何から始めればいいかわからない」という方は、まずは無料体験トレーニング(毎月5名様限定/通常4,000円税込)でご相談ください。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 産後どのくらいの時期から運動を始めていいですか?
経腟分娩の場合は産後6〜8週、帝王切開の場合は産後8〜12週頃からの開始が一般的ですが、産婦人科医から運動許可が出ていることが前提です。ただし骨盤底筋を意識した軽いエクササイズは産後より早い段階から行われることもあります。必ずかかりつけの産婦人科医に確認してから開始してください。
Q2. 授乳中でもトレーニングできますか?
適度な強度の運動は授乳中であっても実施可能とされており、母乳の量や質に大きな影響を与えないとする研究が複数あります(参考:Dewey KG et al., “A randomized study of the effects of aerobic exercise by lactating women on breast-milk volume and composition,” N Engl J Med, 1994)。ただし、脱水と過剰なカロリー消費には注意が必要です。当ジムでは授乳中の方にも安心していただけるよう、水分補給と負荷調整を丁寧に行います。
Q3. 「産後太り」の解消にも対応していますか?
はい。産後の体型変化(体重・体型)のご相談も対応しています。ただし、産後の腰痛や骨盤の安定性を整えることが先決の場合が多く、まず機能回復を優先させてから、体組成の改善へ段階的に進めることがほとんどです。※効果には個人差があります。
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この記事の監修
岡田 榮二(EIGI OKADA)
岐阜店代表・理学療法士(国家資格)
中部学院大学2018年卒業。理学療法士として病院・クリニックにてリハビリ臨床を8年間担当。整形外科・スポーツ領域を中心に、小児以外ほぼ全科で経験を積む。現在は岐阜市のパーソナルジムTRESOにて、姿勢・動作分析と運動再開のサポートを専門に行う。
指導方針:「対応する方は全員、自分の家族だと思って向き合う」「相手の些細な反応も見逃さない」
専門:姿勢・動作の分析/運動再開のサポート/腰・膝・肩のコンディショニング
※当ジムは医療機関ではなく、診断・治療は行いません。
※効果には個人差があります。