
「以前と食事量は変わっていないのに、40代後半から体重が増え始めた」「お腹まわりだけ太くなった気がする」──TRESOにご相談いただく女性会員の方から、こうした声を頻繁に聞きます。
これは意志の問題でも、食べすぎのせいでもないことが多いです。更年期前後のホルモン変化が体組成に大きな影響を与えることは、婦人科・運動生理学の領域でよく知られています。ただし、「だから仕方ない」で終わらせる必要はありません。
なぜ更年期に太りやすくなるのか
エストロゲン低下と脂肪分布の変化
閉経前後にかけてエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が急激に低下します。エストロゲンには内臓脂肪の蓄積を抑制する働きがあると考えられており、この低下によって同じカロリーを摂取していても内臓脂肪がつきやすくなる傾向があります。また、脂肪が皮下から内臓へシフトするため、体重の数字はさほど変わらなくても「お腹だけが出た」と感じやすくなります。
基礎代謝の低下と筋量の減少
加齢に伴う筋量の低下(サルコペニア)は30代から始まりますが、更年期前後に加速しやすいとされています。筋肉は安静時にも多くのエネルギーを消費するため、筋量が減ると基礎代謝が下がり、同じ食事量でも消費カロリーが追いつかなくなります。
睡眠の質の低下とストレス
更年期症状(ホットフラッシュ・発汗・不眠)は睡眠の質を下げます。睡眠不足はグレリン(食欲増進ホルモン)を増やし、レプチン(満腹ホルモン)を減らすことがわかっており、食欲コントロールが難しくなる一因になります。睡眠と食欲の関係については睡眠とダイエットの関係についての記事でも詳しく解説しています。
また、コルチゾール(ストレスホルモン)の慢性的な高値も内臓脂肪の蓄積に関与するとされており、ストレスと食欲の関係についての記事もあわせて参考にしてください。
食事制限だけでは限界がある理由
更年期のダイエットで陥りがちなのが「食事を減らしても体重が落ちない」という停滞です。カロリー制限を続けると筋肉も分解されやすくなり、基礎代謝がさらに下がるという悪循環が起きます。タンパク質の摂取量が低いほどこの傾向は強まります。タンパク質と代謝の関係についてはタンパク質とダイエットの記事で整理しています。
食事は「過度に減らさず、タンパク質を優先して摂る」という方向が、筋量を守りながら体組成を変えていく上で重要です。具体的な量は個人の体格・活動量によって異なるため、一律の数値を鵜呑みにしないことが大切です。
更年期に筋トレが有効とされる理由
米国スポーツ医学会(ACSM)は、閉経後の女性に対して週2〜3回の抵抗運動(筋力トレーニング)を推奨しています。エビデンスとして示されている主な効果は以下の通りです(ただし効果には個人差があります)。
- 筋量・筋力の維持・改善による基礎代謝の下支え
- 骨密度の維持(骨粗しょう症リスクの低減)
- インスリン感受性の改善による血糖コントロールのしやすさ
- 体幹・下肢の安定性向上による転倒リスク軽減
ただし「高強度トレーニングが必要」という意味ではありません。更年期症状の程度・既往歴・関節の状態によって、適切な強度・種目は大きく異なります。評価を受けてから始める方が安全で効率的です。
TRESOでの更年期向けアプローチ
TRESOは女性会員が約7割を占め、40〜60代の方も多く通っています。理学療法士・柔道整復師・健康運動指導士が在籍し、「骨・関節・姿勢を守りながら体を変える」という視点でプログラムを設計しています。
- 初回評価:姿勢・バランス・筋力のバランスを確認します。更年期症状(関節痛・ほてり・不眠)の有無もヒアリングし、当日のコンディションに合わせて進めます。
- 段階的な筋力プログラム:まず下半身・体幹の安定性を高め、基礎代謝の土台を整えます。症状が安定してきたら上半身・全身の複合動作へとステップアップします。
- 食習慣のアドバイス:減らすより「何をいつ摂るか」を優先した提案を行います。
- 継続のサポート:少人数制のため、体調の変化を見逃さずに対応できます。「今日はしんどい」という日はメニューを調整します。
更年期世代の方へ:まず評価から始めませんか
「自分に合った運動がわからない」「体重より体型が気になる」という方が多く来られています。まず体のクセと現状を把握するところから、一緒に始めましょう。
よくある質問
Q1. 有酸素運動と筋トレ、どちらを優先すればよいですか?
更年期以降は特に筋量の維持・改善が体組成に直結するため、週の運動計画に筋力トレーニングを含めることが推奨されています(ACSM)。有酸素運動を全くやめる必要はありませんが、「有酸素だけ」では筋量低下を補いにくい面があります。体力・関節の状態・目標によって異なりますので、評価の上でご提案します。
Q2. ホルモン補充療法(HRT)を受けていますが、筋トレと組み合わせても大丈夫ですか?
一般的に、医師の管理のもとで行われているHRTと運動療法は併用されることが多く、禁忌ではないとされています。ただし主治医の判断が優先されますので、現在の治療内容を担当医にご確認の上ご参加ください。
Q3. 体重ではなく「体型を変えたい」という目標でも対応できますか?
もちろんです。体重の数値だけでなく、体脂肪率・筋肉量・姿勢・動きの質を総合的に評価しながら進めます。「お腹まわりをスッキリさせたい」「背中の丸みが気になる」といった体型のご相談も多く承っています。※効果には個人差があります。
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この記事の監修:岡田 榮二(EIGI OKADA)
岐阜店代表 / 理学療法士(国家資格)
中部学院大学2018年卒。理学療法士としてリハビリに8年従事。整形外科・スポーツを中心に、小児以外ほぼ全科で臨床経験を積む。
指導方針:「対応する方は全員、自分の家族だと思って向き合う」「相手の些細な反応も見逃さない」
専門:姿勢・動作の分析、運動再開のサポート、腰・膝・肩のコンディショニング
※当ジムは医療機関ではなく、診断・治療は行いません。※効果には個人差があります。