
「トレーニングを頑張っているのに慢性的にだるい」「食事も気をつけているのに体重が落ちにくい」——こうした停滞の背景に、ビタミンB群の不足が関わっているケースがあります。
ビタミンB群はエネルギー代謝の要となる栄養素です。ダイエット中に運動量が増えると必要量も上がりますが、食事制限によって摂取量が落ちやすいという矛盾が生じやすいのも特徴です。この記事では、ビタミンB群とダイエット・疲労の関係を栄養学の視点からお伝えします。
ビタミンB群とはどんな栄養素か
ビタミンB群は水溶性ビタミンの総称で、B1(チアミン)・B2(リボフラビン)・B6(ピリドキシン)・B12(コバラミン)・葉酸・ナイアシン・パントテン酸・ビオチンの8種類が含まれます。
共通する特徴は、糖質・脂質・タンパク質の代謝補酵素として機能する点です。食事から摂ったエネルギーを実際に「使える形」に変換するために、ビタミンB群は欠かせない役割を担っています(厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版)。

ダイエット・疲労に特に関わるビタミンB群
ビタミンB1(チアミン):糖質をエネルギーに変える
B1は糖質(グルコース)をピルビン酸→アセチルCoAへと変換し、TCAサイクル(クエン酸回路)でエネルギーを産生する過程に必須です。運動量が増えると糖質の消費が高まるため、B1の需要も増加します。不足すると糖質がエネルギーに変わりにくくなり、疲れがたまりやすくなります。
推奨摂取量:成人女性1.1mg/日、成人男性1.4mg/日(食事摂取基準2020年版)
ビタミンB2(リボフラビン):脂質代謝の鍵
B2はFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)の構成要素として、脂肪酸のβ酸化(脂質をエネルギーに変える過程)に直接関与します。ダイエット中に脂質をエネルギー源として活用するためには、B2が十分に供給されていることが前提です。
推奨摂取量:成人女性1.2mg/日、成人男性1.6mg/日(食事摂取基準2020年版)
ビタミンB6(ピリドキシン):タンパク質代謝とアミノ酸活用
B6はアミノ酸の代謝・タンパク質合成・神経伝達物質(セロトニン・ドーパミン)の産生に関わります。高タンパク質ダイエットを実践する場合、タンパク質摂取量に応じてB6の需要も増加します(食事摂取基準では、タンパク質摂取量と連動した指標が設定されています)。また、B6不足は気分の不安定さや睡眠の質の低下にも関連する場合があります。
推奨摂取量:成人女性1.2mg/日、成人男性1.4mg/日(食事摂取基準2020年版)
ビタミンB群が不足しやすいシチュエーション
ビタミンB群は水溶性であるため体内に蓄積されにくく、毎日補給する必要があります。以下のような状況では特に不足しやすくなります。
糖質制限ダイエットを厳しく実施している場合、糖質とともにB1の供給源である穀類が大幅に減ります。また、カロリー制限によって全体の食事量が減ると、すべてのビタミンB群が一括して不足するリスクがあります。さらに、アルコールの代謝にはB1・B2・B6が大量に消費されるため、飲酒習慣がある方はより意識的な補給が必要です。

ビタミンB群が多い食品
以下の食品はビタミンB群を比較的多く含みます(文部科学省 日本食品標準成分表2020年版)。
B1を多く含むもの:豚肉(ロース・ヒレ)、大豆・納豆、玄米・胚芽米。B2を多く含むもの:レバー(牛・豚)、乳製品(牛乳・ヨーグルト)、卵、アーモンド。B6を多く含むもの:まぐろ・かつお、鶏ささみ、バナナ、にんにく。
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サプリメントについて
ビタミンB群は水溶性のため過剰摂取しても尿として排出されやすく、毒性リスクは比較的低いとされています。ただし、B6の過剰摂取(長期的・大量)では末梢神経障害のリスクが報告されており(食事摂取基準2020年版では上限量60mg/日が設定)、サプリメント単独での高用量摂取は慎重に行う必要があります。
TRESOでのアプローチ:運動の「質」を支える栄養の土台
「最近のトレーニングが以前より疲れる」「同じ内容なのに翌日の回復が遅くなった」——こうした変化に気づいたとき、プログラムの見直しだけでなく、栄養の底上げが突破口になることがあります。
TRESOでは、体験時に日常の食事傾向・運動習慣・疲労感をヒアリングし、栄養面から気になる点があれば生活習慣へのアドバイスも行います。「運動しているのに変わらない」という停滞感は、多くの場合、運動×栄養のどちらかが足を引っ張っています。どちらがネックなのかを一緒に整理することから始めましょう。
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よくある質問
Q1. ビタミンB群が不足しているか確認する方法はありますか?
血液検査(ビタミンB12・葉酸・B6など)で確認できます。慢性的な疲労・口内炎の繰り返し・舌の炎症・手足のしびれなどが続く場合は、医療機関での受診をお勧めします。当ジムは医療機関ではないため、検査・診断は行いません。
Q2. 糖質制限中でもビタミンB群は補えますか?
糖質を大幅に減らすと穀類由来のB1が不足しやすくなります。豚肉・大豆製品・ナッツ類を意識的に摂ることで補いやすくなりますが、厳しいカロリー制限と組み合わせている場合は全体的な不足も起きやすいため、食事内容の組み立てが重要です。
Q3. ビタミンB群を補えば疲れが取れますか?
不足を補うことで、エネルギー代謝が本来の状態に近づく可能性はあります。ただし、疲労の原因は睡眠・ストレス・鉄分不足・甲状腺疾患など多岐にわたります。「疲れが抜けない」と感じる場合は、まず医療機関での確認を検討したうえで、栄養・運動・休養を包括的に整えることが大切です。※効果には個人差があります。
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この記事の監修
岡田 榮二(EIGI OKADA)
岐阜店代表・理学療法士(国家資格)
中部学院大学 2018年卒業。理学療法士として8年間リハビリに従事。整形外科・スポーツ領域を中心に、小児以外ほぼ全科で臨床経験を積む。
指導方針:「対応する方は全員、自分の家族だと思って向き合う」「相手の些細な反応も見逃さない」
専門:姿勢・動作の分析 / 運動再開のサポート / 腰・膝・肩のコンディショニング
※当ジムは医療機関ではなく、診断・治療は行いません。
※効果には個人差があります。